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04.29.04:09

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  • 04/29/04:09

09.29.12:45

SALIX

かぜっぴきサルベージ。




 目覚めたときに天井が見慣れたものでないことに違和感を覚える。それでも思考を働かせれば昨日までの記憶が蘇り、自身が置かれた立場を思い起こすに至る。その行為を繰り返せば繰り返すほど、俺は日常から引き離されて行く。それは懐かしさを孕んで遠ざかり、忌むべき非日常が当たり前のことに差し替えられて行く。
 カーテンの隙間を縫って、朝の優しい光が差し込んでいた。
 38.3℃、俺の傍らで男はやや呆れた声でそう告げる。手にした体温計を見つめたまま、自分の頭を引っ掻き回す。それを不明瞭な視界の端に捉えながら、何故彼が困惑しているのかを俺は理解出来ずにいる。
 彼を人は「魔王」と呼んでいた。


祈り SALIX
20061208banana


掴んだものは何ですか
富や名誉や権力ですか

掴んだものは何ですか
望む幸福な未来ですか

掴んだものは何ですか
溺れる中、わらほどの役にも立つものでしたか


Hisakura Peccatum Originale


01

 不思議なことは、世界に満ち溢れている。知らないこともまだまだ沢山在るのだろう。
 例えば空の青さだとか、翼有る者とそうでない者との差だとかいう調べれば知識として吸収出来るものから、人の感情や繋がりといったまだ未知とも言える解明されていない概念的分野まで幅広に、無知な俺の知らないことは多い。
 朝霧はあの通りの性格だったから、下手をすると俺はそこらの同年代と比べてもお馬鹿な部類になるのかも知れない。天秤の魔法使いの弟子だなんていうのは名ばかりで、俺があの人の下で学んだことと言えば、女性に優しくするというのは男が賢く生きる為の知恵というその一点のみだった。お陰で俺の特技は家事全般ばかりに特化し、生活能力のないあの人を養う為バイト経験が恐ろしく豊富になった。それだけでは食い扶持が繋げず、イカサマを駆使した賭博の腕もかなり上がった。
 それでも、俺は朝霧の弟子であったことを後悔したことはない。寧ろ誇らしく思っている。
 思えば彼女が進んで破壊の知識を与えようとしなかったのも、俺を思ってのことなのだろう。彼女なりに俺を戦いというものから遠ざようとしていたに違いない。それが本当に正しいことであったのか、良いことなのかは判らないがそれでも、それはあの人が俺に向けてくれた愛情だった。
 だから、俺は彼女が与えてくれるもの以上を彼女に望まなかった。また、彼女が与えてくれるものは何であろうと拒まなかった。それ以外の必要と思われるありとあらゆる知識は独学だった。
 だから言う。もう一度、言う。俺はそこらの同年代と比べてもお馬鹿な部類になるのかも知れない。
 窓の外の眩しいばかりの青空とは裏腹に、暗く落ち込むのは俺の気分だ。背を向けた扉の向こう、廊下からは一人分の足音が聞こえる。そしてこの部屋の前で止まった。
 自己管理も能力の一つだなどと言いだしたのは誰だろう。確かにその言葉は正しかった。ああそうさ、正しいさ、正しかった。
 ノックはなかったが気遣うような静かな動作で背後の扉が開かれた。俺の横たわる寝台の傍らに侵入者は立った。手にしていたらしい何かをサイドテーブルに置いたようだが、背を向けている為それが何かは判らない。
「わんこ~?」
 低めの擦れた声だった。俺は返事をしなかった。そんなふざけたあだ名を認めたくないからだ。
「ぉーい、わんこ?わん、わん、わぉーん?」
 本当に、つくづくふざけた男だ。
 それでも俺が無視を決め込んでいると諦めて黙る。代わりに緩やかな水音が耳に届いた。次いで、火照った頬に冷たい何かが触れる。気持ちが良い。
「やぁっぱ、狸寝入り~」頭上から笑みを含んだ声が振ってくる。「お顔が弛んでいますよ、えのこりん」
 色々諦めなくてはならないのは俺の方のようだった。薄く開かれた視界に銀灰色の髪が揺れている。
 男は、氷面鏡という。あざならしい。本名は知らない。他にも色々な名前で呼ばれているようだが、そのどれもが長く面倒なものばかりなので、氷面鏡と呼んでいる。そして早い話俺の目の前で体温計片手に唸っているこの男は、千年前世界を破滅へと追い遣った「魔王」だ。
 かつてこの世界を疫病と姦計で混乱へと陥れた「魔王」、自身を打ち倒す勇者の誕生を恐れ世界中の子供を虐殺した「魔王」、後に勇者――「聖王」と封印の担い手である「天秤の魔法使い」の手により討ち倒された「魔王」、それがこの男なのだという。俄かには信じ難い話だが、それでも信じないわけにはいかないのは俺の師がその封印の担い手である「天秤の魔法使い」で、この男の封印が解けたその現場に居合わせたからだ。不覚にも気を失った俺が目覚めた時には全てが終わっており、傍らにはこの「魔王」が不似合いこの上ない青空を背に立っていた。解呪の余波で「塔」の外へ飛ばされたらしい、と大体の状況説明をされた。

『封印が解けたばかりで俺はまだ本調子ではない。
 取り敢えずうら若きお前に取り憑いて英気を養うことにしよう、そうしよう。そんなワケで光栄に思え、小僧』

 そんな馬鹿げた話があるだろうか――あったらしい。
「で、わんこ食欲は?」
 氷面鏡はサイドテーブルに置かれた洗面器にタオルを浸しながら訊いて来た。
「どう……かな……一応食べれる気ではいるんですけど」
「無理に食べて吐かれるのも無駄に体力消耗するだけだしねぇ」
 言って、氷り水に冷やされたタオルが額に乗せられる。
「んー……すぐ温くなるねぇ。氷嚢のが良っかなぁ~」
「いいですよ、これで。充分気持ち良いです」
 喋る度に喉が引きつるように痛んだ。苦労して声を出しても、それは自分でも驚くくらい擦れて聞き取り辛いものだった。
「ま、取り敢えず何か持ってくるけどね。無理して食べなくて良いですからね」
 言い残すと氷面鏡は洗面器を持って引き上げて行った。閉まり掛けた扉から手だけが覗き、ひらひらと振られた後引っ込んだ。本当に俺の様子を見に来ただけのようだった。
 身長のわりに頼りない彼の背中を見送った後、溜め息をつく。
 別に看病されるのが嫌なわけではない。寧ろ、嬉しい。朝霧にこういったことは期待出来なかったので、風邪を引いたとき優しくされると思い出すのは母親のことだ。俺の中でそれは良い思い出なので、風邪をひくことはともかくとして看病されるのは嫌いではない。だが、問題はその看病してくれる相手だ。
 生まれてこのかた十五年、誰が世界を破滅の一歩手前にまで追いやった魔王に看病される日が来ることを予想出来ただろう。いや、出来る筈がない(反語)。

(母さん、元気かなぁ)


02

 眠りと覚醒とを繰り返していると、小さなノックと共に扉が開かれた。視線だけをそちらへ向けると赤い髪を長く伸ばした男がそこに居た。その姿を見留めて俺は慌てて上体を起こした。
「いーから寝てろ、わんこ」男は俺を寝台に押し戻しながら言った。「病人だろう」
 男はそう言って俺の頭を乱暴に撫でた後、寝台の脇に椅子を引き寄せて座った。
 この人の名前は夜刀彦という。氷面鏡とは対照的に朱色の髪に、健康的な肌色をした男性だ。整った顔立ちで、左目に泣き黒子がある。客として立ち寄った薬種問屋でアルバイトをしていたのが彼だった。しかも、あの「聖王」なのだという。
 聖王というのは先に触れた魔王である氷面鏡と対を為す存在で、生き神として祭られる伝説的存在だ。そのような歴史的英雄がアルバイト店員としてエプロン付けて「いらっしゃいませー」、とにこやかに挨拶する様はなかなかの破壊力を誇るので注意が必要だ。因みに俺は食べていた蕎麦が鼻から出かかった。
 氷面鏡の封印が解けてしまったことをいち早く察知し、封印の守り手である朝霧と接触しようと首都を離れたらしい。しかし途中残した式が消され、とぼりが冷めるまで身を隠すことに決めたのだそうだ。どうやら国内部の政治的な問題が関わってきているらしい(クーデター?)。
「取り敢えず林檎摺ったのとか持って来てみた。どうだ、食えそうか」
「多分……というか」
「あ?林檎嫌いだったか」
「いえ、そうじゃなくって。……林檎、夜刀彦さんが摺ったんですか」
「ああ、違う違う。俺は切ったの。摺ったのは氷ぃ」
 もう一度敢えて言う。今目の前に居る彼は聖王だ。伝説の英雄だ。魔王を打ち倒した勇者だ。
「ぉーい、わんこー?何か更に顔色悪いゾー」
 誰の所為だ。聖王と魔王が仲良く並んで林檎を剥いて、切っては手渡しそれを摺り下ろすなんて絵面想像したくもないのに想像してしまった所為だろう、と言ってやりたい。
「いや、夜刀彦さんも氷面鏡さんも意外なほど生活感あるな、と思っただけです」
「時の賢王がらしくない、ってか」
「そうは言いませんけど……」
 夜刀彦さんに渡された林檎を掬いながら言う。
「まあ、俺も生まれたときから聖王やってたわけじゃないからなぁ」
 理屈では解っていても実際本人に庶民じみた振る舞いをされると違和感を覚えずにはいられない。特にその対象が俺に向いているとなると、ますます妙な気分になる。
「でもわんこの言うことが分からないわけでもないからさ。俺も『創世の主』とまで言われた氷ぃがあんなだとは思ってなかったもーん」
「『創世の主』?」
 初めて聞く二つ名だ。
「あれ、今は使わないんだったっけか?」
「初めて聞きました……そんな偉そうなの」
「偉そうっつっても単に創始以前の暗黒時代を識る生き字引、って意味のが強いみたいだけどな」
 氷面鏡のことを話す夜刀彦さんは時折遠くを見るような、酷く懐かしそうな顔をする。まるでそれが大切な思い出のような顔をする。そんな時決まって俺は最後に別れた時の母さんのことを思い出して、懐かしいような寂しいような不思議な気持ちになる。
「仲、良いですよね……夜刀彦さんと氷面鏡さん」
 千年も前は互いに命を奪い合う関係だったとは思えないほどだ。今もこうして氷面鏡を再封印する為の「遺産」を探している最中だというのに、仇敵同士の緊張感がまるでない。
「あー……まぁ、俺は『魔王』に成る前のアイツを知ってっからさ。俺と同じに、氷ぃも元から魔王だったわけじゃねーのよ」
 俺はそんな氷面鏡は知らない。生まれたときから俺の中では氷面鏡は魔王だ。
 聖王でない夜刀彦さんが俺の中に存在しないように、天秤の魔法使いでない鶺鴒が俺の中に存在しないように、魔王でない氷面鏡も俺の中には存在しない。
 それでも、いつか俺にも違和感なく当たり前の彼らを受け入れることが出来る日がやってくるのだろう。鶺鴒が天秤の魔法使いであっても俺のような遺痕を慈しんでくれていたように、魔王の絞ったタオルを受け取り聖王が運んでくれた林檎を素直に美味しいと言うことの出来る日がやってくるのだろう。
「なぁわんこ。昔俺の親父はこんなこと言ってたよ。人は人を映す鏡だと」夜刀彦さんは臥せ目がちに言った。「憎しみには憎しみが、笑顔には笑顔が返されるんだと。相手に向けた感情は、そのまま自分に返る祝福と呪咀だと……そう言っていた」
 彼が真面目な話をしているのに一般人で低俗な俺は謎の人物である筈の「聖王」のバックグラウンドの方へと興味が削がれてしまう。それを察してくれたらしい夜刀彦さんは、その後は難しい話はなしにして家族のことを色々話してくれた。父親といっても血は繋がってないことや、兄弟も居たのだという。
「血は繋がってないけど、家族だった。……そうすると朝霧は妹になるんだよな」
 これが一番驚いた。
 伝説上では女神の天啓を受けた調停者たる天秤の魔法使いが聖王を見つけだし、その力を授けたということになっている。そして当時暴虐の限りを尽くし、大規模な遺痕狩りを行なった古代王国の王だった氷面鏡を魔王として討伐、封印した。
「ああ、それ違う」
 教科書にも載っているような歴史をそらで言うと、当事者はあっさりと否定する。
「氷ぃは王なんかじゃねぇもん。別人。まぁ時期が同じくらいだから同一視されちゃうのもしゃーないね。実際その王サマやっつけたのは氷ぃだし」
 その後、古代王朝を礎に今のシオン聖王国が派生し、夜刀彦さんが不死の統治者として永く君臨することになった。
 納得しながらも引っ掛かりを感じる。王は自分を打ち滅ぼす子供の存在を恐れ、大規模な虐殺をし「魔王」と呼ばれるに至った筈だった。もう何度目になるかも分からない異端者の排除、遺痕狩りだ。
 だが熱に浮かされた俺の考えはそこまで辿り着いて霧散した。
「朝霧はそんなこと教えてくれませんでした」
「そりゃ仕方ない。あいつは調停者だからな。情報操作が専門なんだよ。バランスを執行し、歴史を創る者だ」
 それは本人からも直接聞かされたことがあった。だから自分は時に真実を隠蔽することもあれば、大切な存在を犠牲にすることもあるのだと、そう言っていた。
 朝霧のその言葉を、俺は疑問に思った。すると彼女は多くの幸福を守る為、己の脆弱な魂を守る為、と答えた。
 だがら今一度俺は彼女の兄に同じことを問う。
「そりゃあ……」夜刀彦さんはすぐに後の言葉を続けなかった。
 枕に頭を傾けたまま、俺は次の言葉を待つ。熱があるのに難しいことを訊かなければ良かった、と少し後悔しながら下りようとする瞼と戦う。
「少しでも悲しい思いをしなくていいように、なんだろうな」
 返って来た答えは弱々しくて、図々しくもらしくない、などと思ってしまう。同時に血は繋がっていなくてもこの人は朝霧の兄なのだと感じさせる答えだった。そうして、夜刀彦さんの自嘲めいた呟きを最後に俺の意識は途切れる。
「それでも、世の中全然納得いかないことばっかだ」


03

 誰かが居る。
 誰か、俺の額に張りついた髪の毛を指先で掬って梳いている。
 知っている手だ。熱を出すと付きっきりで看病してくれる、ミルク粥を作ってくれる、母さんの手だ。看病や料理は出来ないけれど、優しい歌を歌ってくれながら傍らで手を握ってくれる朝霧の手だ。二人と同じに、優しい手だ。
 俺は、この手を知っている。
 冷たくて気持ちの良い感触が離れていくと、それを追うように俺は薄く目を開けた。傾きかけた陽の光が灯りのない部屋の中に差し込んでいる。無彩色と有彩色とがコントラストを描く不思議な情景に溶け込むことなく、色濃く輪郭が浮き上がった手がカーテンを捉えて窓を閉めた。
 鮮やかな緑や、晴れ渡った青空の下においては浮き上がるほどに死人のような顔色を曝している彼だが、一日が死ぬこの時刻には最後の光が彩りを与え幾分血色も良いように感じられた。殆ど白に近い銀の髪が橙色を写し込み、銀灰色の瞳は差し込んだまばゆいばかりの補護色に因って瀝青炭のように昏く落ち窪んでいる。けれどその輪郭に溶けるようなはかなさはなく、またその瞳に沈んだ様子はない。
 何となく声が掛けづらく、俺はただぼんやりと彼の横顔を見つめていた。すると不意に氷面鏡の視線が俺の方へ向けられ、またしても不意に額に掌が押し当てられた。
「ん、大分下がったかな」
 そのまま掻き上げるようにして前髪を払われた。
 手が冷たい。
「変だ」
「あ?」
「変。……絶対、変。変です。夜刀彦さんも氷面鏡さんも、変」
「何だそれ」
 聖王は断罪と浄化の象徴だ。俺なんかの看病をしていて良い筈がない。天秤の魔法使いは秩序と調和の象徴だから、朝霧だって遺痕の子供など放っておかなければならない。魔王は破壊と混乱の象徴だ。熱を出して寝込む子供の頭を撫でているなんて可笑しい。
「変です」
 熱に浮かされたうわごとのように、俺は同じ言葉を繰り返した。
狗尾柳……お前さ、俺や彦のコト変だ変だ言ってるけど、そう言うお前もよっぽど変だって気付いてる?」
 眠る前、夜刀彦さんが座っていた椅子に腰を下ろしながら氷面鏡は言った。言っている意味がよく解らず、疑問符を飛ばしている俺に悪戯が成功した子供のような笑みを投げ掛ける。
「聖王だ、魔王だ、天秤の魔法使いだ、って言ってるワリにお前は俺らのことそういう記号だけで見てないでしょ。誰かを優しく思えるのは、お前が同じように優しい人間だからだ。そういったお前の本質に、彦も……それに朝霧だって救われていたんだろうよ」
 氷面鏡の口から朝霧の名前が出たことに、辛い事実が過った。
 俺は彼女の死に際を知らない。彼女を殺した人物の顔も、知らない。
「やっぱ……変です。聖王と魔王が同じこと言ってる……正確には夜刀彦さんのお父さんが言ってたそうですけど」
「ふぅん……あいつ、そんなこと言ってたの」何故か少し嬉しそうに氷面鏡は相槌を打つ。「俺も、これ、人に言われたんだ。今よりずーっと、ガキの頃」
 不思議な気分だった。氷面鏡にも子供の頃があったということが信じられなかった。これと似たようなことを昔にも思った。物心ついたとき、周りのものは不変なのだと思い込んでいた。いや、信じていた。父さんは生まれた時から既に父親で、母さんは最初から母親という生きものであるとそう思っていたのだった。けれど少し成長して、少し周りが見えるようになって、少しだけ世界を知った。少ししか世界を知らなかったことを知った。それはつまり自分を中心として見た世界の在り方でしかなかった、ということだ。
 父さんは昔から父親だったわけでなく、少年だった頃も在れば男だった頃も在ったのだろう。母さんも少女であり、ただの女だった。
 きっと同じことなのだろう。
 いつかこの日々の果てに、俺は再び出会うだろうという確信がある。俺はいつか、朝霧を殺した魔法使いと再び出会う。必ずだ。
 今この胸にあるのは確かな憎しみばかりだ。けれどまた一つ新たな世界を知れば揺れるものだということを俺は知っている。
 確固たる信念が不変というだけなのなら、それは停滞と同じことでしかない。
 

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